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何でわかるんだろうね~こいつらは本当。
大好きだ馬鹿野郎。
「大丈夫。ありがとな!」
笑って言えば剛史も蓮も安心したのか表情が和らいだ
「笑えるなら大丈夫だな」
「何かあればすぐ呼べよ」
「ん。本当に大丈夫だから!」
「にしてもヤンキーだよな」
「まぁ…実際ヤンキーだったしな」
「やっぱり!あ~なんか怖そう」
剛史が大袈裟に腕をさする
「大丈夫だって!見た目だけだから!」
「ハゲよりキツイ仕打ちが待ってたらどうしよう!」
「何で剛史だけに仕打ちがある設定になってんだよ」
あはっと笑うと蓮に頭を撫でられた
「…ん?何?」
「無理すんなよ」
そう言って笑う蓮は貴重だ
…そんなにわかりやすいかな?
いや、こいつら限定だ
「…サンキュ」
そうこうしているうちにオリエンテーションは終わったらしい
みんなぞろぞろと体育館に向かっていく
「今から始業式だったな」
俺らの学校は始業式は最後にある
だから終わればそのまますぐに帰れるんだ
みんなと一緒に教室を出たとこで慎吾に呼ばれた
「力」
「…何?」
剛史と蓮には目配せして先に行ってもらう
「久しぶりだな」
誰もいない教室に2人きり
「そだね」
無表情に近づいてくる慎吾
「みんな元気か?」
頬に触れる慎吾の手をそのままに答える
頑張れ俺の体
震えるんじゃねぇぞ
「それは慎吾が一番知ってるんじゃない?」
「そうだな」
慎吾の指が俺の唇をなぞる
「昨日会ってきた」
「そうなんだ」
「…怖いか?」
怖い?怖いさ
今すぐにでも逃げ出したいさ
「…怖くない」
「ふ。強がりなとこは変わってないな」
優しく笑う慎吾に戸惑う
今日ずっと感じてる違和感がわかったかも
慎吾が優しい
「なんか…慎吾が慎吾じゃないみたい」
俺の頬を撫でていた手がピクリと動いた
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