2025年7月

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━━2025年7月。 ちょうど一年前のあの日も、今日の暑さのように気だるい日だった。 私はその日の朝から中国武術の稽古のため、練習場にこもっていた。 練習といっても、いつも真剣を使って行っていた。 この私が、手元を狂わすわけがない。 この私が、雑魚の手にかかるわけがない。 そんな自負があったのだ。 中国武術は……私の唯一の天才的な部分であろう。 誰にも負ける気はしなかった。もちろん彼女にさえも……。
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