2026年7月21日

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「……っ!!冷たっ!!」 指の隙間から、得体のしれない液体が顔にかかった。 一瞬で現実に引き戻され、私は上半身を起こした。 《ジジッ……》 見上げた空を横切ったのは、さっきまで何処かで哭き騒いでいた蝉の姿だった。 「……しょんべんかよ。」 どう考えても、それ以外の液体は思い付かない。 ……シュルッ。。パシッ!!…………カランコロン。 宙に舞わせた針剣が、何かを捕らえてコンクリートへと落下する。 「………罰、だね。」 独り言を呟いて、その針剣の先に捕えられた異物を口に運んだ。 ……昆虫は、栄養の宝庫。特にこの時季の生命体は、やっぱり爆発しそうなエネルギーを蓄えているのだと、噛み砕きながら全身で感じていた。
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