前章:影

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とある日の深夜2:00ごろ。 場所は都内の閑静な高級住宅街。 ここに現れる数人の影。 「独露。今日の仕事はなんだ?」 「目標の家は自称占い師〔馬原鹿子〕の自宅。彼女は自ら占い師と名乗っているものの実際はインチキであり最近は霊感商法で多額の利益を得ているらしくそれに対する苦情が殺到しているものの本人は対応していなく金も返金していないとか。今日はそこにあると言われる¥298,000,000,000相当の宝石が標的です。」 「そりゃまた結構な品もんだな。まぁ外見から見てもセキュリティーの度合いからいかにもって感じだな。長くやってるとだいたい汚い手でもうけてる奴の家は分かってくるな。」 深夜の高級住宅街に現れた影はよく見ると大勢の人だかりであった。 そのうち前にいる二人が小声で話していた。 「よし。これから馬原……めんどいから馬鹿子でいいや。馬鹿子の家に侵入し宝石類を全てかっさらう。各班決まった持ち場の仕事をしっかりするように。設定は3分だ。」 二人のうち一人が号令をかけた瞬間人だかりは一斉に動き出した。 それを見送ってから残された二人も歩き出した。 「なぁ独露。」 一人が歩きながら話し出す。 「なんですか影朗さん。」 もう一人はそれに答える。 「この世にきたねぇ手で稼ぐ奴はいらないよな。」 「はい。そのとうりです。」 「なら…」 そう言って一人は空に浮かぶ星を見ながらつぶやいた。 「なら。そいつらにどれだけ汚く生きてきたのか俺たちが分からせるのが俺たちの役目だろ。………… ……俺たち[花いちもんめ]のな。」
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