いたずらな出会い

12/18
前へ
/18ページ
次へ
スクールバスを朝から途中下車するのは思っていたより簡単だった 「すみません具合が悪いので帰ります。ここで降ろして下さい。」と運転手にお腹を押さえながら腹痛の演技をして見せ 次のバス停で降りれた 「気をつけて帰るんだよ」仮病の私を本当に心配してくれている 『ごめんなさい嘘ついて。でも緊急事態なのしょうがないね』 心の中で謝った 人目につかないように バス停の目の前にあるコンビニのトイレに駆け込んだ 慌ててひな子に電話をかけるとワンコール鳴らなずに電話に出た 「何があったの??今何処?」さっき質問を急いでもう一度聞きなおした 「くっ…う…っっ」 泣いて声が出ないのか何かかすかに聞こえて 今まで生きてきて最悪の状況を考えてひな子の返事を少し待った 色々考え過ぎて泣きそうになる その次瞬間に 「ギャハハハッッ」 明らかに爆笑しているひな子の声が聞こえる 急に一変した態度に困惑しなた ひな子は笑いを押さえながら「ウソだよぉ大変なことなんて何もないよっ」また笑いだした 一気に不安で張りつめた気持ちが嘘だと分かると 力が抜けた ふたのしまったトイレの便座に腰を降ろして ひな子に改めてて聞いた「ウソなんだ?」
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加