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「地上付近とはいえ、迷宮は迷宮です。いい機会ですので迷宮区を歩く時の注意点を教えておきましょう」
「注意点?」
シルヴァリオンはユウが一通りはしゃぎ尽くし、大人しく歩き始めるようになったタイミングを見計らって話しかけた。
「はい。左様にございます。本来この迷宮区は地上の人間たちの間では立ち入り禁止とされている程危険な場所なのです。私やランス様がついているとはいえ、危険なものを判別できる判断力はつけてもらいたいものです」
「……うぅ。お勉強は嫌だよう」
「ダメよ。迷宮区に住んでいる以上、必要最低限の知識は身につけておくべきだわ」
「……はい、わかりました」
自分の姉や兄的存在からそう言われては断ることが出来ない。
素直に知識の宝庫である長身の執事の話を聞くことにした。
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