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その部屋に一人の少女がかけ込んで来た。
「ランスちゃん、ヒマーーーっ! 散歩しようよ、散歩っ」
この屋敷の主ランスロットをランスと呼ぶこの少女はランスより少し背が高く、栗色の髪を頭の後ろの高い所で縛っている。
「……今日も相変わらず元気ね、ユウ。散歩といっても、あなたここをどこだかわかってるの?」
ランスはそう言いユウが部屋に入っていた時に驚いてテーブルにおろしていた紅茶を再びゆっくりと味わい始めた。
「迷宮区、それも“中層の深部”なのよ」
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