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「脅かすんじゃねえ、バカヤロー!!」
政司が投げつけた灰皿が掃除機にぶつかり、表面にうっすらと傷がついた。
しかし、「ハイザラ、フヨウ、ゴミ、ニンシキ」と今度は灰皿まで砕いてしまった。
夕方帰宅した絵里は、「ムーちゃん、ただいま。」と声をかけ、掃除機の表面の傷に気づいた。
ふて腐れている夫の仕業だと察したのだろう、「ムーちゃん、痛かったね。我慢したね、えらいえらい。」とまるで子供に対するように、優しく語りかけた。
そして、底面のゴミタンクをゴミ箱の上で開ける。
出てきたゴミは、驚くほど小さい塊に凝縮されていた。
それも新機能の一つ「吸い込んだゴミをパワフルに圧縮」機能であり、それによってゴミを捨てる回数を最低限に減らすというものだった。
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