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「あ・・・あ・・・・・だ・・・誰か・・・絵里ぃぃぃっ!!絵里ぃーっ!!」
政司は、倒れたソファーによじ登った。
だが、ロボット掃除機に搭載されている赤外線センサーは、それをはっきり捉えていた。
滴る血まで吸い込みながら、掃除機は接近してきた。
倒れたソファーは、脚が折れ、表面のカバーが破れている。
「ソファー、ハソン、ゴミ、フヨウ、ニンシキ」
ソファーがバキバキと音をたてて砕かれ、吸い込まれ、中で極限まで圧縮されていく。
「や、やめろ!!俺はゴミじゃない!!人間だ!!」
「アナタハクズ、ゴミイカ」
「フヨウ、ニンシキ」
それは、絵里が言った言葉だった。
それを、AIが認識した。
「政司」は「クズ」で「ゴミ」なのだと。
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