挑発

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   俺は小さな村の傭兵をして生計を経てていた。 昔は王国騎士団なり、神殿騎士なんかにも憧れたが、今のところこの職業が向いている。  何より一人での行動に、誰も文句は言わねぇしな。  ただ、難点は何匹も束になって押し寄せる魔物に対応するのが難しいって事くらいだ。 しかも、今はその現状に立たされている。  相手はジジイみたいなしわくちゃな顔にでかくて長い鼻が特徴的なゴブリン。 背は子供程度だが、侮るとそいつらが握る棍棒で撲殺される可能性だってある。  ま、簡単に説明すると、素人が魔物に近付くなって事さ。 死にたくなけりゃ、騎士団なり俺の様な傭兵に金を払って退治してもらえば良いって事だ。 「さぁて、ゴブリン共、俺の剣の錆びになりたくなかったら、目の前から消えな……」  ゴブリンとて生物。 俺は毎度どんな情況下に立たされようと、相手に選択の余地を与える。  が、ゴブリン共は逃げる気配もなく俺によだれを滴ながら向かってきた。 「頂く金の分は働かねぇとな……」  溜め息混じりに、俺は迫り来るゴブリン共に剣を向けた。  
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