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「俺なら簡単に突破してやるよ! で、豪華賞品持って帰って50万ゴールドくらい倍にして返してやるさ!」
……あぁ、言ってしまった。 そして、チョビヒゲは俺を見ながら笑ってこう言う。
「流石はフェンブレンさん。 じゃあ、勲章は返すけど借用書の金額は100万に書きかえとくね」
何でこうなっちまうのか、俺は自分自身を攻めつつチョビヒゲから逃げるように酒場を後にし、その日はこの村で一夜を明かした。
────そして、翌日。
久し振りのこの村の朝はとても穏やかで、俺は朝靄のかかる早朝に身支度を済ませ誰にも気付かれぬように村を後にする。 ……が。
「もう出発かい、フェンブレンさん」
村の出口にはそう言って笑う酒場のマスターが立っており、俺は驚きを抑え笑って挨拶をした。
「あ、あぁ。 流石に隣の国まで行くとなると、早いうちに出発しないとな!」
「そうだったのか。 じゃあ、100万ゴールド頑張って手に入れてきてね!」
「そこは、バトルタワーを制覇してきてねじゃねぇのかよ」
そして、俺とマスターは堅く痛みを伴う握手をし、俺は深く頭を下げる騎士を通り抜け村を出た。
今回ばかりはチョビヒゲの策略だ。 とは思いつつ、行き先が決まったことに俺は少し安心もしていた。
そして、俺は顔を出した朝日を浴びながら道を歩く。
次は20年突破されていないらしいバトルタワーか。
ま、俺は剣と共に生き、剣と共に死ぬ道を選んだんだから、そんなの気にしねぇがな。 なんたって、俺は……。
「死んでも死なねぇ男だからな!!」
そして、俺は道を歩く。
人生と言う名の、バトルロードを…………。
END……?
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