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のび太が気絶し、ママを何とかした後の事だった。ドラえもん、そしてジャイアン達は、警察に連絡しようと110番へ連絡しようとした。しかし、何回掛けなおしても「現在回線が込み合っています」ばかりで、話にならなかった。
その後、ジャイアンが助けを呼ぼうと外に行こうとしたが、彼は飛び出して間もなく、顔を真っ青にして戻ってきた。
「ママだけじゃない。この町、いや、世界中のほとんどの人が・・・皆・・・」
ドラえもんが言い終える前に、のび太は立ち上がり、窓へと足を運んでいた。
知らない間に心臓が悲鳴を上げ、心拍数が上がっていく。
どうして緊張しているんだ?ただ窓の外を除けばいいだけ。そう、ただそれだけ・・・
目を疑った。
まず目に映ったのは町の至るところで起こっている火災だった。空は灰色に染まり、まるでゾンビ物のホラー映画でも見ているかのようだった。
そして次に目に映ったのは・・・道路を歩く人だった。
しかし、歩くと表現するのはあまりにも不自然で、歩いているというよりは足を引きずりながら歩いている感じだった。しかも服は破けていて、所々に真っ赤なものが見える・・・。
あれは人なのか?まるでゾンビのようだ。いや、ゾンビなのか・・・?
「・・・・・・・・・」
言葉が出なかった。
まだ夢から覚めてないのかと、頬をつまんでみるが、それはあっけなく崩れ去った。
「テレビは繋がってたんだけど・・・。どの局も、この騒ぎの事しか報道してなかったよ。
中には、ずっと砂嵐の局もあったし・・・」
「・・・・・・みんなは?」
「ジャイアン達は下にいるよ、念の為、バリケードを作ってもらってる」
「バリケード・・・」
バリケード。敵の侵入を防ぐためによく使われるものだ。その言葉をまさか実際に聞くなんて思わなかった。
未だに頭が混乱している。状況を整理するつもりが、悪化してしまった。
「とりあえず、下に行こう。皆が待ってるよ」
「・・・うん」
とにかく今は余計な事を考えずに、流れに身を任せよう。
倒れそうになるのをなんとか堪え、ドラえもんの後を追って部屋を出た。
現在時刻:PM3:30
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