春の夜の夢

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「ゴメン大丈夫? 両手塞がってるから拭いてあげられないんだけど」 「全然大丈夫っす」  慌てて俺を見上げる姿が余りにも。 (可愛いなあ) 「俺、持ちますよ」  じゃがバターを受け取ろうと、彼女の手に触れる。  あ。あったかい。 「青木くん、手冷たい」  すみません。  ああでもこれからゆっくり2人で夜桜デート。  幸せ絶頂……。 「おーい! こっちこっち!」  ものすごく聞き覚えのある声が聞こえた。  気のせいかな。 「あ、いたいた! ゴメンお待たせー」  万優さん?  前方には、物凄く知った顔達が、桜の木の下で飲んだくれていた。  真っ赤な顔のおとーさんに軽く殺意がわいた、春の夜。 <おわり>
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