悪魔とKY

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 21時現在。  人々行き交う駅前で、熱烈な愛の告白を受けている。  全く記憶にないけど、毎朝毎晩私を待ち伏せしていたらしい。 「彼氏いるんで」 「恋人がいても諦めません!」  いやいや諦めようよ。  鼻息荒いし。  参ったなと悩んだその時。  道行く人々が振り返る程のイケメン、発見。  あ、使える。 「『修二』!」  走りより、腕を掴む。  ぎょっとした表情の彼に構う事なく力任せに腕をひき、男の前に突き出した。 「この人が諦めてくれなくて」  固まっている男を正面から見据えると、『修二』はほんの少し口角を引き上げた。 「俺の彼女に何か」  冷ややかな瞳で男を見下ろしながら、私の腰に左手を置き軽く引き寄せる。  ってどこ触ってんのよ。  男が身体を震わせ、口を開いた瞬間。 「嘘だ!」  げ。  面倒なタイミングで面倒な奴が現れた。  頼むから余計な事言わないで。 「俺、聞いてないよ! 万優さんと伊勢さんが付き合ってるなんて……ねえ、嘘でしょ?」  あ、お、き。
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