445人が本棚に入れています
本棚に追加
21時現在。
人々行き交う駅前で、熱烈な愛の告白を受けている。
全く記憶にないけど、毎朝毎晩私を待ち伏せしていたらしい。
「彼氏いるんで」
「恋人がいても諦めません!」
いやいや諦めようよ。
鼻息荒いし。
参ったなと悩んだその時。
道行く人々が振り返る程のイケメン、発見。
あ、使える。
「『修二』!」
走りより、腕を掴む。
ぎょっとした表情の彼に構う事なく力任せに腕をひき、男の前に突き出した。
「この人が諦めてくれなくて」
固まっている男を正面から見据えると、『修二』はほんの少し口角を引き上げた。
「俺の彼女に何か」
冷ややかな瞳で男を見下ろしながら、私の腰に左手を置き軽く引き寄せる。
ってどこ触ってんのよ。
男が身体を震わせ、口を開いた瞬間。
「嘘だ!」
げ。
面倒なタイミングで面倒な奴が現れた。
頼むから余計な事言わないで。
「俺、聞いてないよ! 万優さんと伊勢さんが付き合ってるなんて……ねえ、嘘でしょ?」
あ、お、き。
最初のコメントを投稿しよう!