445人が本棚に入れています
本棚に追加
休日の夜。
夕食を食べ終え、いつものように2人でのんびりテレビを見る。
正確には、テレビを見ているのは俺だけで、孝ちゃんは新聞を読んだり何かの資料を目に通したりしてる。
俺が部屋に戻るまで、孝ちゃんも寝室には入らない。
俺はそんな孝一郎を時々眺めながら、ソファに寝そべってテレビを見ていた。
「なあ、ナオ」
「あはは……なぁに」
ぽつりと呼ばれ、俺は笑いながら軽く返事をした。
お笑いコントがツボにハマり、お腹を抱えて笑っていた時だったから。
「お前最近、彼女できたのか」
思わずソファから転げ落ちた。
「やっぱり」
新聞から顔を上げ、ニヤニヤと俺を見下ろす孝一郎を見上げながら、強打した肩をさする。
「何それ、いないけど」
本当にいないし。
「最近メールの送信量が増えてるし、通話料も増えている」
どうやら携帯の内訳を見ての事らしい。
定額制のプランだから気にしてなかったけど、使用分は内訳に表示されるんだ。
保護者とはいえ、プライバシーもへったくれもない。
最初のコメントを投稿しよう!