夜空の下で

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 7月7日。  地元では毎年、七夕祭りが開かれる。  最後に行ったのは、いつだったか。  駅構内に貼られた大きなポスターを眺めながら、ぼんやりと考えていた時。 「水木くん?」  名前を呼ばれ、振り返ると。  大きな瞳をパチパチさせた、懐かしい人が立っていた。 「やっぱり水木くん! 吉川だよ、わかる? うわぁ、懐かしい!」  満開に咲いた花のような笑顔に、思わずこちらも頬が緩む。 「吉川さん、久しぶり」
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