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切なくて、苦しくて、息が出来なくなる。
「妹じゃないもん」
「ガキの頃から知ってるんだぞ、ちょーこ」
「ちょーこじゃない、もう子供じゃないもん。修ちゃんが好きなの。ずっとずっと」
「って、泣くなよ。どうしたんだ今日は」
なぁ、といって私の頭を引き寄せ、ぎゅっと抱きしめてくれた。
彼のシャツが涙で染みていく。
どうして、どうして。
私じゃ、駄目なんだろう。
想いは絶対、誰にも負けないのに。
「修ちゃんは……いつか誰かを好きになるの?」
誰も心に入れない。
彼は淋しくないのだろうか。
「そう願ってるけど?」
心臓の音と、彼の声が、耳に響く。
彼が本当に誰かを好きになった時。
私は祝福出来るのかな。
「ねぇ修ちゃん。1回でいいから、本気のチュウして」
「駄目」
「1回だけだよ?」
「1回じゃきかなくなる」
「修ちゃんが?」
「お前が」
だめだ。
やっぱり、好き過ぎる。
私は悔しくてたまらなくて、彼の腕に思い切り噛み付いた。
<おわり>
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