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「――でね、恵里佳がね――」
「うるせぇ。それの何処が――」
あー、うるさい。何だってこんな話を聞かなければならないんだ。
「それにしても、リア充って何? いっつも男子が叫んで殴ってくるんだけど……」
「何回も説明してるだろうが、リアルが充実している。つまり極端に言えば、女にモテる奴だよ」
「えー、僕なんてモテないよ。みんな友達で、僕に惰性で付き合ってるんだよ」
「それを不用意にその友達に言うなよ」
「う、うん」
ったく、ハーレム野郎が。俺なんて今の今まで楽しい思い出は、中学での男女で組む義務があった修学旅行だけだぜ?
「あっ、ねえ蒼羽」
「んだよ」
「僕の足元が変なんだけど……」
「は? …………なる程、お前動くなよ。いいか宮毘、お前は異世界に勇者として召喚される。俺逃げる……って、何掴んでるんだよ!?」
「行くなら蒼羽も一緒だよ!」
「よくあの距離を一瞬で来れたな……って嫌だー!?」
何だよ行きなり騒がしいな。ったく、近所迷惑だぞガキ共。
もう一寝入りするか。グー……。
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