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来た原因は多分だが分かった。
だが、これをどうやって伝えれば良いんだよ。なんか騎士とか姫とか二人とかが注目してっから、いつ切り出せば良いんだよ。タイミング逃したら、集中されて見られるから言いにくいんだぞ。
ネラーじゃねぇコミュ障なめんなよ!
「あの、王洋くんはどうやってこっちに?」
「あっ、はい。と、多分ですが、庭の塀の影で涼んでいたら、何故かしら巻き込まれた、と思います」
「えっ? なんて?」
「庭の影で涼んでいたら、お前の魔法陣の範囲デカすぎて巻き込まれたんだとよ」
良かった。コミュ障で、滑舌悪いから聞き取れる人がいて。
「…………勇者が三人、ありえません。周りに適性が二人も……」
何かブツブツ、姫らしき人が呟いている。
「…………儀を行えばわかります。
では、覚醒の儀式を行います。ついて来て下さい」
ゾロゾロと出て行く人達に合わせて、黙ってついて行く。
歩いて数分、さっきとは違った煌びやかな部屋に通された。中は大理石の様な白い石で出来ていて、奥に乳白色の泉があり、その中心にISの甲龍が持つ両端に刃が付いた武器みたいなのが刺さってる。
でも、どこかで見たような……。ゲームや本で、どこだったか……。
「これはこのフィラクベル王家、王城に代々存在する聖槍『グランドリーム』です」
「……あっ、クロノクロスか」
「なんですか?」
「違います、独り言です」
「そうですか」
そうだよな。スワローはクロノクロスのだし、普通見たら槍と思うだろうな。
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