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いつの間にか美夜の手は首の後ろから髪を掻き分け後頭部に移動し、グイと顔を前に引っ張られ、そして耳元で囁かれる。
「りっくん、来て」
掴んでいた腕はいつの間にか自分の手と繋がってしまったかのように、その温かさを共有している。
その腕をゆっくりと離し、汚れた手で自分のYシャツのボタンを外していく。
暗闇に慣れた目は、ぼんやりと美夜の腕の傷と、濡れたシーツの染みを写し出した。
「りっくん…りっくんは美夜だけのものだからね…?」
虚ろな表情で呟く美夜の唇を自身の唇で塞ぎ、そのままゆっくりと、宥めるように舌を絡めとった。
そして重なるようにベッドに沈んでいく。
これは、僕の義務。
兄として
美夜を守る為の義務なんだ。
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