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「理一、理一起きて!!!」
「ん…」
いつのまにか寝てしまったらしい。
「ごめんね遅くなって。もうすぐ体育祭だから生徒会も忙しくて」
「いや、大丈夫」
目の前で僕を見つめる少女。高坂美夜。義理の妹。僕は一年ダブってて今は同学年だ。
隣のクラスだけど、明るく活発で可愛いから僕のクラスでも人気がある。
僕とは正反対だ。
「今日はスーパーに寄って帰りたいな。美夜の好きなクリームシチューを作るよ」
「だめだめ!早く帰らなきゃ、見たいっていってた番組見れないよ!」
先程、あんなに考えを巡らせていた僕のメニュー案は呆気なく却下。
「んーでもやっぱクリームシチューも食べたいな…あ!私が先に帰って録画しとくから、理一がスーパーに行ってきて!」
美夜が名案を思いついたとばかりに、丸い瞳をキラキラ輝かせる。
。
我が妹ながら、とても愛しく思う。
「…わかった、じゃあ美夜には録画係をお願いするよ」
「ラジャー!任せろ兄貴っ」
そう元気に答えて、美夜は僕の腕を取り、ずんずんと腕を組んで歩いていく。
端から見たら、学校帰りの仲良しカップルだろう。
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