3/20
前へ
/20ページ
次へ
… … 「理一、理一起きて!!!」 「ん…」 いつのまにか寝てしまったらしい。 「ごめんね遅くなって。もうすぐ体育祭だから生徒会も忙しくて」 「いや、大丈夫」 目の前で僕を見つめる少女。高坂美夜。義理の妹。僕は一年ダブってて今は同学年だ。 隣のクラスだけど、明るく活発で可愛いから僕のクラスでも人気がある。 僕とは正反対だ。 「今日はスーパーに寄って帰りたいな。美夜の好きなクリームシチューを作るよ」 「だめだめ!早く帰らなきゃ、見たいっていってた番組見れないよ!」 先程、あんなに考えを巡らせていた僕のメニュー案は呆気なく却下。 「んーでもやっぱクリームシチューも食べたいな…あ!私が先に帰って録画しとくから、理一がスーパーに行ってきて!」 美夜が名案を思いついたとばかりに、丸い瞳をキラキラ輝かせる。 。 我が妹ながら、とても愛しく思う。 「…わかった、じゃあ美夜には録画係をお願いするよ」 「ラジャー!任せろ兄貴っ」 そう元気に答えて、美夜は僕の腕を取り、ずんずんと腕を組んで歩いていく。 端から見たら、学校帰りの仲良しカップルだろう。
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加