3人が本棚に入れています
本棚に追加
「高坂くん!!……だよ…ね……」
女の子が意気込んで発した声が、段々としぼんでいく。
「はい、高坂です」
背は150センチ位だろうか。黒髪のボブ。童顔で、細身。中学生と言われても違和感ないだろう。
うーん、でも、この子どこかで…
「わた、私、」
てか、美夜以外の女の子と喋るのなんて、いつぶりかな…
そんなことをぼんやり考えてたら、目の前の女の子から思いがけない言葉が発せられた。
「第三中学で一緒のクラスだった!葉月ちよです」
「!」
中学…?!
僕の目が自然と見開く。
「高坂くんに、憧れてました」
中学という単語を聞いて身を硬くした僕に、更に思いがけない言葉が降りかかった。
「………え?」
なんだか上手く思考が働かない。えっと、こいつは中学の同級生で、昔の僕を知ってる……
「私、いつもとろくて、友達もいなくて、一人ぼっちで」
「……」
「でも、高坂くんは私とは正反対で」
何を言ってるんだろう、この子は
「毎日友達に囲まれて、その中でも輝いてて」
「……」
フリーズしている僕なんかおかまいなしに言葉をまくしたてられ、そのまま呆然と立ち尽くすしかできない。
「あの日、高坂くんが声をかけてくれたから……私は救われたの」
「……」
知らない
わからない
「これ、今日……渡したくて…」
差し出されたのは手紙。
最初のコメントを投稿しよう!