PROGRAM 1

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数学のバーコードハゲがマジでウザい。 とか、思っていても私は何も言えない。 「高三にもなって、こんな問題も解けないのか?河野。」 県内屈指の進学校から今年転勤してきた数学のハゲは、進学校基準に話を進めるため、問題を解けない人を蔑む。 そして、何故かわからないが、私が目をつけられている。 周りは同情の目で私を見るが、助けてはくれない。 「せんせー。あんまり俺の彼女いじめないで。」 彼を除いて。 彼の一言でクラスの人が笑って空気が柔らかくなる。 「じゃあ、度会が代わりに解いてやれよ。」 周りの野次に彼は笑って口を開く。 「河野のより馬鹿な俺が解けるわけねぇじゃん。頑張れ河野。」 そして、クラスの皆がまた笑うんだ。
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