0人が本棚に入れています
本棚に追加
「はー、まったくしんどいなあ。」
午後4時。
季節は初夏。
日差しの照りつける校舎は、内部の風をも熱風・・・いや、温風へと変える。
まったく・・・どうなってんだこの世界は。
俺がいた時代はこんなに暑くなかったのによ。
これが地球温暖化ってやつなのか?
こいつら・・・よくこんな世界で生きていられるな。
「やっと学校終わったよ。」
「おい、はやく行くぞ。」
暗く、低く、その声は俺の空間をよぎる。
俺はそいつのあとについて、一歩・・・また一歩重く進んでいく。
まわりのやつらには俺たちのことなんてきっと見えていない。
だから重い足取りだろうがスキップしようがどうでもいいことだ。
廊下は白いタイル。
生徒たちは箒やらモップやらをうまく使いこなして、その廊下や教室をせっせと掃除している。
廊下のさきには隠し扉がひとつ。
最初のコメントを投稿しよう!