死にたがり若者

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俺の正面にいる一番背の高いやつ(仮にAとしよう)がほかのやつらに聞く。 このAとは、さきほどまで俺の前を歩いていたやつだ。 「・・・はい、No.21ですが・・・抹消、ということでよろしいでしょうか?」 この組織で2番目にえらいであろうやつ(B)が答え、それを聞くとすぐに、白衣の男(C)が青色のファイルからNo.21を検索する。 生徒が教室掃除を手馴れているように、Cのこの行動もそれ以上に手馴れているのだろう。 「・・・えーと、そうですね。発言回数も10回を超えていますし、許可を下されるのも時間の問題というところでしょう。」 「すいません。No.12は検討範囲外でしょうか?」 唯一の女(D)がCに尋ねる。 「・・・No.12か。うーん、もう少し実験データとして必要だな・・・。まだ殺してしまうにはもったいない。」 俺にはどういう実験データが必要なのかは知らない。 ただそのNo.12はまだ殺してはいけないらしい。 言い方からわかるかもしれないが、こいつはいずれ殺される。 俺の手によって・・・ 「E。お前は?」
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