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「・・・前に同じです。」
Eとは俺のコードネームである。
「・・・よし、じゃあNo.21。実行に移る。各自配置につけ。下校ルートから推測して、これより30分後に開始する。以上。」
Aはこれだけはき捨てるように言うと、後方のドアからゆっくりと立ち去った。
後ろを振り返った扉の向こうはやはり真っ暗。
Cもそそくさとファイルを片付けると、床に脱ぎ捨ててあったプリントTシャツとボロボロのズボンに着替えた。
白衣もたしかに目立つが、その格好も十分に目立つものである。
お前らはきっと、俺よりも現実を知らなさすぎる。
「・・・こんな実験、いつ終わるのかしらね。」
「俺だって、いつまでもこんなことしていたくねーよ。」
「・・・わたしだって。」
「お前にはわからねーよな。この実験・・・つーか行動が。」
Dは小さく笑うと、冷め切ったコーヒーを一杯、口に運んだ。
「今日は一段と苦いわね。」
Dは不満足な表情を見せた。
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