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女はそのうち俺たちの世界のルールやら何やらに従って、おそらく抹消される。
それは形どころか記憶からも消し去ってしまうのである。
つまりだ。
明日学校に行ってクラスメイトのやつらが、「あれー、○○さん今日は休みなのー?」とかいったことは起こらないのである。
そいつはそのクラスには存在しなかったし、そもそもこの地球にすら存在しなかったとして扱われるのである。
Cがファイルを取り出した。
No.21の欄に×印がつけられる。
こいつの存在を知るのは・・・俺たちだけになったというわけだ。
「E、疲れているのか?」
「いえ、特に。すこし考え事を・・・」
市販の缶コーヒーが仕事終わりの一本だった。
今日はどうしても、飲みたくないような気分だった。
飲みかけの缶コーヒーを残して、俺は研究室を後にした。
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