死にたがり若者

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西日がとても眩しかった。 ああ、そうか。 俺にもこんな時代があったんだなあ。 「よっしゃ、このあとお前ん家でゲームしようぜ!」 「オッケーいいね!」 野球少年・・・であろう2人組が、俺の目の前を自転車で走り去っていく。 もちろん俺には見向きもしない。 「・・・こんな生活、つらすぎるだろ。」 俺にはお前たちが見えるのに、お前たちには俺は見えない。 そしてなによりも不便だ。 コンビニとか行っても店員には気づいてもらえないから何も買えないし、とにかく人とコミュニケーションをとれない。 まあ何も食べなくても生きていけるが。 ・・・生きていける? 少し語弊があったようだ。 一応訂正しておくか。 もう気づいた人もいるだろうけど。 そう、これは俺が俺のために書く・・・ 「死人伝」だ。
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