3. Entrance ceremony and……

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 階段を上っていき、その姿が完全に見えなくなって、ようやく緊迫していた空気がしぼんだ。  俺はおずおずと口を開き、 「あ、ありがとう……。アイツ、いきなり暴力とか本気で洒落にならない」 「……フン」  礼を受けたアリエスはしかし、どこか不機嫌そうに俺を押しのけて、自室へと帰っていった。  重厚な扉がこれ以上の会話を拒絶するように勢い良く閉まり、夜虫の鳴き声だけが寂しく耳朶(じだ)を打つ。  俺は頭をかきむしって、ただ一言呟いた。 「……なんなんだよ」  じくじくとした痛みは、当分引いてくれそうもなかった。  ――3. Entrance ceremony and…… 完 ――
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