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「あー、うん?」
……いや、場所教えてくれないのかよ! と思わず内心でツッコんだ。あるいは、東通りを歩けばすぐ分かるのかもしれない。どうもなにか噛み合ってないような気もしたが、そう自分を納得させて深く追求はしなかった。
そんなこんなで。
互いにそろそろ眠気を感じていた俺とアリエスは、交代で見張り番をして休むことにした。
《OM》から寝袋を取り出す。芋虫みたいだ……と微妙な顔をされたが、こんなごつごつした地面に直で寝転がるよりは良いだろう。贅沢言うんじゃありません。
「ノウト」
「ん?」
先に寝袋に包まったアリエスが声をかけてくる。
芋虫みてーだ、とは口に出さない。
「どうして、私を助けてくれたんだ?」
「……えぇー、お前がそれ聞くか?」
「いいから、君の答えを教えてくれ」
――そういえば、アリエスと初めて会った夜も、同じような質問を別の人間から受けたな……。
だから、答えは変わらない。
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