8. Overpowered

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 ソラは口を尖らせた。とはいえ、これ以上の譲歩は見込めないということも悟ったのだろう。肩を落とし、なら仕方ないか、とクゥトに顔を向ける。 「やれやれ」  諦めた様子だった。  ――ただし、〝穏便に済ませるのを〟と最初につくが。 「クゥちゃん。ちょっと席を外してくれない?」  クゥトはソラの考えをすぐに察した。 「ソラくん……クゥは、あまり……」 「心苦しいけれど、友人を助けるためでもあるしね。それに、ボクのわがままにキミ以外を巻き込むのも本意ではないのだし」 「……わかりました。じゃあ、部屋の前にいます」 「ありがとう」  訝しむメルをよそに、クゥトが退室した。去り際、彼女が「ごめんなさい」と声もなく口にしたことに、メルは気づけなかった。 「……さて」 「ハインド君はまだなにかあるの? もしかして、色仕掛けでもしてくれるのかしら?」
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