8. Overpowered

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 魔術士団に居た頃、メルはそう割り切っていた。  だが、と思い留まる。  ――今の自分は一流の魔術士である以前に、三流の教師なのだ。  それを勘案して、どうするべきか。  結局のところ、この場で見極めるのは難しい。そもそも昔から、天才の考えを推し量れた試しがなかった。  だからこういう手合いは苦手なのだ。 「んんーーー……どうしても、行く?」 「はい、そこは決定事項です。ここに来たのも、黙って行方をくらませては各位のご迷惑になるので、既成事実が欲しかっただけですし」  確かに、自警団の個人に対して抜け道を作ったとしても不自然だろう。仕掛けられたのがメルであったのも納得できるし、その判断は理に適っている。  のだが、なーんか癪に障る。この人を食ったような態度。どこかの馬鹿な賢者を思い出させる。 「ほほう。それでわざわざ形だけの交渉をしにきたと。つまり、アタシの返答なんてはなっからどーでもよかったと。なるほどなるほど」
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