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「ラーク君……キミは、やっぱり……」
猛禽を思わせる鋭い金眼が見開かれる。ついに、限界まで昂ぶった魔力が吼えるような一声とともに解放された。
「――《プロミネンス》ッ!!!!」
肩、肘、手首の順に伝わった腕力と、大地を割るほど強く踏み込んだ足が勢いを加速させ、投擲された銀槍を燃え盛る閃光へと変貌させた。
軌跡が大気に焼き付く。瞬く間に水晶戦士の群れに到達した閃光は、耳を聾(ろう)する大音響とともに炸裂し、極大の白い爆炎を撒き散らした。
星を砕くがごとき凄絶な衝撃が、激震をもたらす。
堅牢な水晶の外殻をものともせず、白焔はまだ喰い足りないとばかりに爆心地から外れていた敵にまで飛び火してさらに猛り、暴威を拡大させた。
抵抗など許容しない。
理不尽なまでの虐殺がそこにはあった。
ソラは爆風の余波で思わず目を瞑ってしまいそうになったが、そんな愚行はおかさなかった。この光景から、片時も視線を離したくない。感極まって、賞賛の歓声が上ずった。
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