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今日も相変わらず満員の地下鉄に揺られ、睡魔に襲われながらの出勤。
眠気をこらえ、何度目かのあくびをして、チラッと横をみる。
そこには愛しい人の姿。
吊革に掴まり立ったまま器用に寝ている。
思わずクスリと笑みがこぼれた。
長谷川 悠真
僕が高校から密かに想いを寄せている男だ。
高校を入学してすぐに仲良くなり、身長20センチ差とゆうのも影響して、デコボココンビとゆうあだ名がついた。
最初は親友だった悠真を、いつの間にか好きな人として見るようになっていた。
だけどこの想いは一度たりとも伝えたことがない。
だって悠真には彼女がいたから…
「歩、次降りるぞ」
ふと声が聞こえ、悠真がこちらを見つめていた。
「あ、うん」
またくだらない考え事をしてしまった。
捨てなければならない、諦めなければならない、こんな恋心。
叶うはずがない
だって悠真には
家庭があるのだから…
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