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誕生日が来れば私は22才になる。 私立の美大というただでさえ高額な費用がかかる大学に進んだ上に、私は一浪している。 親の気持ちがわからないわけじゃない。 私だって、どうにかできるものならどうにかしたい。 美術の道に進んで、いずれは自分の絵で食べていけて、ちょっとくらい親に恩返しできたら…なんて、もう今の自分の力ではどうにもできないことに気づいてしまった。 だからといって、今更別の道には進むことなんてできないし、それは自分の中でやっぱり納得がいかない。 ワガママ言ってる場合じゃないってわかってはいるけど、でもそこだけはどうしても譲れない。 ここまで来たんだから、どこかでやっぱり美術の世界に身を置きたいっていう気持ちがある。 母は、だったら美術の先生か絵画教室の先生にでもなったらいいじゃないって言うけれど、それには教職をとっていることが必須になっている。 私は、教師になる気なんて最初からなかったので教職はとらなかった。 なので、教職の道は私にはない。 学芸員も同じで、やっぱり単位をとっていないので美術館や博物館も無理。 この状況になってみて、初めて思う。 保険としてとっておくべきだった。今さら言っても遅いけど。
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