7章 ターゲット・ロスト

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 キョウヤの家の前、ガス爆発で亡くなったリュウジさんともめていた人がいた。  そいつは、一度は立ち去ったが、その後爆発の寸前に再び戻ってきた。  まったく事情を知らない人から見れば、そりゃあの事故はただの事故じゃない。真犯人がそいつに違いない! って事にもなるだろう。 「それで……弟はどこに行ったんだよ?」  ……事態はそれだけじゃない。  警察はそこに追い討ちをかけるかのように、俺を追い詰める証拠を掴んでいた。  リュウジさんと俺がもめた後、キョウヤと会話している事を嗅ぎ付けていたんだ。  普段から素行の悪かった兄のリュウジさん。それに我慢ならなかった弟キョウヤとその友人、俺。  2人は事故に装って事件を起こした……。  状況証拠だけのてんで無茶苦茶な推理。真実を知ってる俺からしたら、笑い話にもなんねぇ。 「知らないって言ってるだろうが。それを探すのも警察の仕事なんじゃねーの?」  俺の反論にも太田刑事は聞く耳を持たない。まったく信じないって表情で俺の事を冷たく見下してきやがった。  くそ、この無能刑事が。  俺は心の中で悪態を付きながら、太田刑事を睨んでやった。 「ちっ、このクソガキが……」  すっかり犯人扱いだよ、ホント。  この手の扱いに慣れてきたのは本音だけど、いよいよ警察から本気で疑われるとは思いもしなかったぜ。
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