8章 捜索

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「そこにきて、今回の幽霊騒ぎの一件を加えると、どうなる?」 「まさか……」  そこまで来て考えが出てこないほどバカじゃない。  木之本は茶化すように左手をひらひらと振った。 「ま、あくまで仮定の話だよ。当人にあなたがモバイルゴーストですか? って聞けるチャンスがあるわけでもないしな」  ……要するに、いくつかの選択肢の中の1つだと思っておけって事か。 「はぁ……何だか気の遠くなる作業に思えてきたよ」 「おいおい。探偵稼業をバカにするなよ? こんな作業をいくつも繰り返して、それでようやく真実に辿り着ける。そんな事を延々と繰り返してるんだからな」 「そうやってあんたみたいな変人が出来るわけだ」  俺の皮肉にも、木之本は冷笑で返すだけだった。 「とにかく、次のターゲットが誰なのかを調べるまで少し時間がかかる。何かあったらすぐに動けるようにしておいてくれよ」 「はいよ」  ……またこんな早朝にたたき起こされるのはだけはごめんだ。  自宅でまだ両親が眠っていますように。  そして、何もない平和な日々が一日でも早く訪れますように……。  俺は木之本にバレないように、こっそりと空へと願った。  だが、家に帰った俺を待っていたのは延々と続く両親の説教だったのは、言うまでもない。
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