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木之本も諦めたようで「しゃーねーか」と言い残して会計を済ませに行った。
「よし、じゃあ全員で確認しに行くか」
カオリとミキは2人でガッツポーズ。
「そんで、おっさんの車は定員オーバーみたいだけど、どうするよ?」
木之本の車は、前にも説明した通りの真紅が眩しい2シーターのスポーツカー。
当然、これで4人が移動しようとすると、誰かはロープで引きずり、もう1人はボンネットの上に張り付いてでも貰わないと移動する事は出来ない。
あ、そうか。俺が助手席に座って、カオリを膝の上に乗せて、あとはミキは適当に……。
「いたっ」
「今、何考えてた?」
ミキが俺の頭を叩いてきやがった。おもいっきり冷たい視線が俺に突き刺さる。
「いや、何でもねぇよ」
「ここからそう遠くないから、歩いて行けると思うよ」
俺が何を考えていたのかに、そもそも興味がないのか、カオリがニコニコ顔でそう言う。
「よし、じゃあ行くぞ。じゃれ合いは済んだか?」
会計を済ませた木之本が半ば呆れた表情でそう告げる。
「ほーい。じゃあ行きますか」
根源の場所、そこで何が待っているか。少なくとも真実へと繋がる何かがあるには違いない。
最悪の場合、俺がカオリとミキの2人を守らなきゃいけない。
俺はそう覚悟して、指を鳴らしながらファミレスを後にした。
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