13章 絶望のその先へ<1>

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「――私も、ナオヤにそう言って欲しいって思ってた」  私は精一杯の笑顔を作る。それと反対に、ナオヤは心配そうな顔になった。 「怖く、ないのか?」 「怖いって言ったら、戦うのを止めてくれる?」 「……カオリがそう言うなら」  こんな時に、優しい表情になるんだから、ホントにズルい。 「そう言うと思った。このまま逃げるナオヤなんて見たくないと思ったし、私の事を考えないで突っ込んでいくナオヤも見たくないと思った。矛盾してる?」 「いや……」  私はナオヤの手を取った。温かい手。 「負けないでなんて、言わない。ただ、一人ぼっちにしないで」 「わかった。約束する」  私は泣いているのだろうか。笑っているのだろうか。  これから先、どんな事になろうとも、もう怯えたりはしない。  戦いが終わるまで。もしも、それが終わったら、私達はどうなるんだろう?  全ての元凶が消えて、ハッピーエンド。私達は結ばれて、幸せに暮らしました。  おしまい、おしまい?  いいや、そんなわけないじゃない。深く深くえぐられた傷の痛みがそう簡単に癒えるはずないもの。  それでも、こうしなくちゃいられない。  ――それは、友達との約束だから。  私の最愛の人が、それを望んでいるから。  何より、私が――そう望んでいるから。
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