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「共通点は幽霊に、やっぱりナオヤっすか」
「そうだな……だが、あいつはシロじゃないかと思ってる」
美樹さんにしては珍しい。これだけ情報が揃えば、とりあえず疑うのはナオヤだと思っていたが……。
「どうしてですか」
美樹さんは口を開きかけて、一瞬止まった。
何かを考える様子。それに違和感を感じた俺が口を挟む前に、美樹さんの口がはっきりと開いた。
「刑事のカンだ」
「……いいんですか、そんな適当で」
また小突かれた。この短時間で2度目。本日累計だと二桁に上り、今年の累計だと五桁超えは確実。
「調べるものが他にないなら、そこを洗うしかねぇだろ」
「そうっすね」
余計な発言は災いの元。
一連の不審死が繋がっているか、そうじゃないのか。
どちらにしても、美樹さんの態度がどうも気になる。
再び歩き出した美樹さんの背中を追いながら、俺は別の事を考えていた。
……とにかく、今日はこれ以上殴られないで済みますように。
一刻も早くこの厄介すぎる事件が終わって、平和な時が訪れますように。
そして――願わくば、美樹さんが一日でも早く定年退職してくれますように。
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