3章 混沌の午後

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 ユカリが学校内で死んでしまった事もあり、2日間は全校休校だと電話で連絡があった。  普段は強気の吉田先生も、電話口の声だけだけど元気が無さそうだった。  状況からしてユカリが悪いのは間違いないにしても、あの時追いかけまわしたのは吉田先生なわけだから、責任問題とか何とか……そういう面倒な事もあるんだろうな。  何があったの、とか大丈夫なの……とか細かく聞いてくるお袋を、疲れているからという理由で適当に説明して終わりにして、俺は部屋に閉じこもった。  ベッドに横になって、目を閉じるとユカリの飛び降り現場が浮かんでくる。  ああ……イヤなもの見ちまったなぁ。  後悔してももう遅い。せめてカオリがあの現場をモロに見なかっただけでもよしとしないとな。 『ピピピピピ! ピピピピピ!』  突然鳴った着信音にビビってベッドから飛び起きる。  ……ああ、やべぇ。  こんな携帯電話の着信音1つにビビるようになってるなんて、ヤバ過ぎだよな。  誰かから電話やメールが来れば着信音の1つや2つ鳴って当然なんだから、これぐらい何だっていうんだ。  俺は部屋に誰もいない事を念のため確認して、胸に手を当てながら携帯電話をそっと手に取った。  いつも聞きなれた着信音は、メールじゃなくて誰かからの電話を知らせてくれる音。 「……何だ。キョウヤからか」  ああ。こんな事でビビりまくってホントにカッコ悪ぃ! 
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