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校門の前に立っていたのは、美樹刑事だった。そのすぐ横にいる太田刑事と何かを話しながらタバコを吸っていた。
「お前らはいつぞやの不良少年達じゃないか」
美樹刑事がすぐに俺達に気が付いて話しかけてきた。
「不良少年じゃないって。マジメな学生っすよ」
俺の返事に美樹刑事は小さく鼻を鳴らした。
……何か態度がイチイチムカつくんだよな、この刑事。
「隣のイケメンくんならともかく、お前が言っちゃあ説得力がないだろ?」
俺の隣と言うと、そこにいるのはキョウヤだ。じゃあ何だってんだよ、この世紀の美少年である俺がイケメンじゃないとでも言うつもりか、コラぁ?
……なんて心の中では当然思うけど、正面切って言うだけの度胸はなかった。
ちくしょう。いつかギャフンと言わせてやる……どうやってやるかは思いつかないけど。
「ユカリの件で調べてるんですね?」
キョウヤの質問に、美樹刑事は苦虫を噛み潰したような表情を浮かべた。
「まったく、相次いで同じクラスの高校生が2人も死ぬような事があるもんなのかね。形式上調べないといけないからこっちは大変だよ」
「形式上、っていうと?」
……どうやらキョウヤはともかくとして、美樹刑事は俺の事は良く思ってないらしい。キョウヤを見ていた視線とはうって変わった眼光で俺を睨み付けた。
「形式上の意味、わかってるか? それなら説明不要だろうが」
くそ、何なんだよ、一体! 俺が何か悪い事でもしたってのかよ!
……あ、言えないけどたくさんあったか。
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