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「あのなぁ……寝言は寝てから言えよ」
美樹刑事が頭を掻きながら俺を睨み返す。
「え?」
「え? じゃねぇよ。彼女の携帯電話ぐらいとっくに調べたさ。どこにもMGとやらからのメールなんて無かったよ」
「ウソだ。マジかよ?」
「サツがそんなつまんねぇ事でウソ付いてどうする。付くならもっとまともなウソを付くさ」
「ユカリの彼氏が誰かは断言できないけど、そいつがあの時の騒動で消した可能性もあるな」
キョウヤがそう呟いたのを見て、美樹刑事はあざ笑うかのように鼻で笑う。
「携帯会社にも問い合わせ中だ。そんな小細工をしてたらいずれバレるけどな……仮に犯人がいたとしたら、てんで間抜けな犯行だな」
「で、でも。吉田先生が犯人だったとしたら、あいつはそんなに頭よくねぇからありうるじゃんか!」
「ハッハッハ! とことんてめぇの担任を嫌ってるみたいだな。わかった、決定的な証拠を突きつけてやるさ」
「な、何だよ……」
動揺する俺に、美樹刑事は人差し指を俺に突きつけた。
「ユカリさんの彼氏は、吉田先生じゃねぇ。別にちゃんといるんだよ」
「そいつは誰なんだよ?」
「クラスメイトだ。誰かは言わねぇが、そいつを含めて生徒はあの時は教室にいたんだから、犯人にはなり得ないよな?」
美樹刑事の反論に、何も言い返す言葉がない。
やっぱ、適当に考えたアイデアじゃダメか……。
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