3章 混沌の午後

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 休校期間も終わり、また学校に行く生活が始まった。  前回あんな事があったせいか、校長先生の話は無しに。その代わりに各教室で先生からの話がある事になった。  俺としては、座って聞いてられるだけマシかもしれないけど。 「……じゃあ、始めるぞ」  教壇に立ってる吉田先生はガラにもなく緊張してるように見えた。まぁ、こんな事があったんだから何を話そうか迷ってるんだろうな。  俺は隣に座ってるカオリを横目で見た。  元気は無さそうだけど、落ち着いた表情をしているみたいだからひとまずは一安心かな。 「ヨシタカに続き、ユカリまでもが不幸な事になって、大変残念に思ってる。だけど、お前たちはこれから自分の将来を決めなければいけない大切な時期だ。いつまでも悲しんでばかりはいられない」 「先生、あの放送は何だったかわかったんですか?」  学級委員が手を上げて発言する。 「誰のせいかは警察の調べでもわからなかったが、誰かのイタズラらしい」 「じゃあ、あのメールは?」 「残念ながら、そのメールとやらは存在しない。警察で通信会社に問い合わせても、そんなメールが届いた事実は無かったそうだ」 「そんなバカな!」 「こら、ナオヤ! 話は最後まで聞け」  いけね。思わず声に出しちまった。  でも……あのメールが届いてないって、どういう事だよ?
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