3章 混沌の午後

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 今日の授業は何事もなく全部終わった。  ホント、こんなに平和に一日が終わったのが奇跡みたいに感じる……まあ、寝てたからどんなふうだったのかは知らないけど。  俺、キョウヤ、カオリ、ミキのいつもの四人で帰る途中の事。あくびをしながら歩いている俺を見て、カオリが白い目で俺を見てきやがった。 「ホントにあり得ないよね。授業始まったと同時に即寝だもん」  カオリの隣にいたミキが大袈裟に頷く。 「そのくせ、授業が終わると突然起きるんでしょ?」 「そうそう! どういう構造してるんだろうね?」  二人の視線をかわしながら、俺はキョウヤに話しかけることにした。 「なあ、吉田先生の話、どう思った?」 「……別に、何とも」 「何ともって……そっけねぇなぁ」 「たまたま不幸な出来事や変なことは重なっちゃったけど、先生の言う通りなのかも知れないよね?」 「そりゃ、可能性としては否定できない。実際、それに越したことはないからね」  キョウヤは強く否定するかと思ってたけど、予想外だったな。 「じゃあ、キョウヤもそう思ってるってこと?」  ミキの質問に、キョウヤは首を横に降った。
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