一章 始まりの丘の遭難者

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「そういえば先生に公欠の連絡してなかったなぁ。後で連絡いれとかないとなるちゃん先生の仕事増やしちゃうし。――って、あれ……なに?」  彼女が目にしたのは空から降ってくる……、人だった――。 「なんで人が空から!?- って、助けなきゃ――!!」 彼女はすぐさま立ち上がり落下地点へと向かう。 「落下速度が早すぎる、これじゃ追いつけない。――そうだ!」  何か閃いたように彼女はポケットからビー玉のような小さい透明の玉を取り出した。  そして囁くように呟く。 「――術式起動――」  声と同時に玉から蒼い光が彼女を包み込むように纏(まと)っていく。 「――魔術書十三項・加速器(アクセルギア)――」  身に纏った青い光は彼女の靴にみるみる吸収されていく。 靴が青い光を放ち始めた。  一瞬が過ぎた時、彼女は風の如く丘を駆ける。  その姿はなんとも軽やかに、ステップを踏むかのようだった。  ……これで間に合うか!? 「いや、――早すぎる!これじゃ受け止められない!」
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