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彼女は考えた。
どうすればいい、時間がない――。
一瞬彼女は迷ったが、そうだ!と思い出し、
「――風壁・三枚扇――」
すると周りの風が渦を巻き彼女の周りに集められ、水を両手ですくい真上に撒くように手を空へ放った。
それに従うように風も空へと舞い上がり、落ちる人影のもとへと向かってゆく。
……お願い、救って――。
彼女は願った。
止まれ、止まれと心で叫びながら見つめる。
「――!?」
思いが通じたのだろうか、人影はふわっと浮くように仰向けの体勢にに変わりゆっくりと降りて来た。
すかさず抱きかかえるように受け止めた彼女は、
「よかった。助かったわ」
安堵ど表情を浮かべ地面に座り込む。力が抜けて少し目を閉じて精神の安定を試みる。
再び目を開けてゆっくりと懐を見た。
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