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日本海西南沖を巡回航行中の海上自衛軍第六部隊の空母『不動岩』が近くにある島からのSOSによりスクランブル(緊急出動)がかかった。
第六部隊に配属されたばかりの隊員、稲嶺 当矢は戦闘機格納デッキへと続く通路を走っていると、後ろからバシッと背中を叩かれた。
「よぉ、稲嶺、大丈夫か? コレが初陣だろ?」
振り向くと先輩隊員の浦崎が並んで走っていた。
浦崎は当矢よりも少し年上の隊員だ。ようやく出来た後輩の当矢が可愛くて仕方なかった。
「大丈夫ですよ。バッチリ決めます。」
キッパリと応える当矢に浦崎は茶化すようにヒュ~と口笛を吹いた。
「おっ、言うねぇ。流石は訓練所首席、言うことが一味違うねぇ」
デッキへ向かう通路にはドンドンと他の隊員達が集まっている。
「頑張れよ」と当矢に励ましの言葉を掛ける隊員もいれば、「逃げるなよ」と釘を刺していく隊員もいた。
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