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「そんな有名な高校なんだ。」
田舎から上京してきた身としては、高校といったら学ランか、冴えないブレザーだった 。
ミナトのような、ドラマに出てくるような出で立ちの人は一人もいなかった。
というか、私の高校にいたら、学年。。いや、学校全体のアイドルとかになるんだろうな。
スラッとした黒のパンツ。学校指定らしいチェックのシャツは羽織るだけで、中には黒のVネックのTシャツ。
その裾から見えるゴツめのベルトのバックル。
それに反するように、少し華奢めのシルバーアクセのネックレスと、それに合わせた、ピアスが茶髪の髪の毛から見えた。
てゆうかミナト、バック持ってないんだけど。
「ハルミ、知らないの?華丘学園って言ったら、頭良し。顔良し。それでいてお金持ちで有名でしょ。」
「何その、漫画の中に出てくるような高校って現実にあるの?」
そう言うと、分かってないと、ユキに呆れた顔をされた。
「へぇ、ミナトって凄いんだね」
「いや、たまたま入れただけだよ。お金持ってるのは親だし。」
ミナトが困った顔をしたので、それ以上聞くのを止めようとしたが。
「でも、頭良くないと入れないって聞いたよ。あとあと、ミナト君の親って何やってるの?お兄さんとかいない?いたら紹介して欲しいな。」
出た出た。ユキの病気。お金持ちには目がない。
「もう、ユキ。止めてよ。ほら行こうミナト。」
「え、あっうん。またね、ユキさん。」
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