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五章
呪文、そんなものは有りはせんよ。
誰も知らないかもしれんがなぁ、
私は呪文なんか言ってないんだよ。
それは誰も信じないんだがなぁ、
人は皆、無いものに恋い焦がれる。
それは真理かもしれないがなぁ、
人間に不可能は、実は無いんだよ。
それは矛盾かもしれないがなぁ、
人間の激情は、誰しも怖いんだよ。
お前達、よく此所まで来たな。辛かっただろう。自分はどうしてこんな目に遭っているのかとか、こんなに疲れたのは初めてだとか、色々と思っていることだろう。
此所から先もまた、未知の事物が嘲笑う世界になる。恐れを覚えたら撤退し、また理解できなくなっても退くのだ。
任務の遂行は、諸君の命よりは軽いものだ。それだけは、心するように。
では行くぞ、化け物を狩るのだ。
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